【PBD,ICLN,QCLN】VOOやQQQよりパフォーマンスの優れるETF⁈クリーンエネルギーETF銘柄紹介
過去の投稿で触れましたがウォーレンバフェットとヘッジファンドの勝負の結果から、投資の素人でもS&P500へ投資することで一部ヘッジファンドのパフォーマンスを上回ることができると判明しました。そして現在、多くの人がS&P500に連動する投資信託やETFへ投資しています。また、S&P500よりもパフォーマンスの良い株価指数と言えばハイテク銘柄中心のナスダックです。
このことからS&P500へ投資するETFであるVOOやSPY、ナスダックへ投資するETFであるQQQが人気の高い商品となっています。今回はそんな超優良ETFであるVOOやQQQよりも直近のパフォーマンスが高いETFとしてPBD,ICLN,QCLNを簡単に紹介します。
目次
チャート比較
記事題名の通り、PBDとICLNとQCLNはクリーンエネルギーに関係のある銘柄で構成されたETFです。クリーンエネルギーETFが本当にQQQよりもパフォーマンスが高いのか疑問に感じると思いますので、まずはチャートを示します。



比較する期間を長くするとQQQが優位ですが、このチャートから分かる通り直近約1年間はクリーンエネルギーETFの方がQQQよりもパフォーマンスが優れています。
なお、3つのクリーンエネルギーETFを比較するとQCLNが最も良好なパフォーマンスを示しています。これはETFの構成銘柄やその構成比率の違いが現れたものです。QCLNには今とときめくテスラ【TSLA】やニオ【NIO】が含まれていますので、これらEV銘柄による株価上昇の恩恵を受けた結果でしょう。
クリーンエネルギーETF同士の比較も大切ですが、最も重要な点はクリーンエネルギーETFのパフォーマンスがQQQより高い、つまりはGAFAを含むハイテクETFであるQQQ以上に環境に配慮した事業を展開する銘柄に資金が集まっているという事実です。
”環境配慮”は世界の潮流
最近「菓子類のパッケージを紙化した」「ペットボトルのフィルムを除いた」というコマーシャルを目にします。ここ数年でESGやSDGsの考えが一気に広まり、環境への配慮が企業経営の基本となりつつあると実感しますね。
環境やエコといったワードはこれまで何回も沸騰してきたテーマだと認識しています。環境に関わる国際的な取り決めを何度も耳にしてきました。しかし国や企業の活動に本格的に反映されていたと言う印象はありません。環境対応は企業が提供する商品やサービスの入口と出口でコストを要しますし、金銭的なメリットを優先するならば当たり前な選択でしょう。
しかし現在は「従来通りのステークホルダーの利益追求を重視した企業経営では今後の社会は成り立たない」「社会や環境に対する価値を提供しなければ企業自らの事業基盤そのものを害しかねない」という状態にあり、いよいよ環境をテーマとした企業に日の目が当たるようです。
私はコロナショックを受けて、世界的に環境配慮の機運が低下して経済優先となるのではないかと考えていましたがマーケットの反応を見る限り、これは完全な誤りでした。コロナショックで経済が停滞しようともクリーンエネルギーETFに資金が集まっている事実を考慮するに、この流れはこの先も継続すると睨んでいます。
アメリカでは某財閥が石油メジャーから手を引く、ESG投資が浸透するなど環境配慮へシフトしつつあります。そしてヨーロッパは環境を今後の経済成長のテーマに掲げており、そのための経済支援が凄まじいです。アメリカはハイテク、ヨーロッパは環境、日本を含むアジアは何に注力するのでしょうか…。
クリーンエネルギーETFの構成銘柄
環境をテーマとして資金が集まっていることは事実として、環境に配慮した事業を展開する企業ならば何でも良いと言う訳ではないですよね。きちんと銘柄を精査して投資したい、その一方でやはり個別株はリスクが高い!このことを考慮して私はETFを選択しました。なお、日本の証券会社で扱っている主なクリーンエネルギーETFがPBD,ICLN,QCLNの3つであるため、今回はこれら3銘柄の構成銘柄を取り上げます。
クリーンエネルギーETF構成比率上位10銘柄
PBD,ICLN,QCLNの構成比率上位10銘柄を調査した結果、プラグパワー【PLUG】とエンフェーズ・エナジー【ENPH】は3つのETFに組み入れられていました。また中国版テスラとして注目を集めるニオ【NIO】は2つのETFに組み入れられています。

なお、プラグパワーとエンフェーズ・エナジー以外にこれら3つのクリーンエネルギーETFに重複する個別銘柄としては、サンラン【RUN】、ソーラーエッジ・テクノロジーズ【SEDG】、ファースト・ソーラー【FSLR】があります。
エンフェーズ・エナジー【ENPH】
エンフェーズ・エナジーは、ソーラー産業用のマイクロインバータ技術を提供するアメリカの企業。システムの稼働時間と信頼性を向上させ、火災安全リスクを軽減し、知的エネルギー管理のためのプラットフォームを提供します。また、環境というテーマ性のみならず決算内容も今年は過去最高益を見込めそうであり、きちんと業績を伴った銘柄ではないでしょうか。

【PLUG】プラグ・パワー
プラグ・パワーはアメリカの燃料電池メーカー。産業機器や発電装置用の燃料電池の開発と製造に従事しています。主要製品は、フォークリフトや無人搬送車などの産業機器向けの液体水素燃料PEM「ジェンドライブ」、固定・無線通信向け天然ガス・液化石油ガス燃料発電装置「ジェンシス」、企業・政府機関向けバックアップ電力用液体水素燃料PEM「ジェンコア」など。私がクリーンエネルギー銘柄として唯一、個別で投資している(いた)企業です。第3四半期決算によると業績は着実に改善しており、株価も大きく上昇しています。フォークリフトはアマゾンやウォルマートなど大企業での採用が広がっており、今後の成長が期待できる銘柄ではないでしょうか。

総括
VOOやQQQよりパフォーマンスの高いETFとしてクリーンエネルギーETFを紹介しましたが如何でしょうか。QCLNの株価は60ドル台ですがPBDとICLNの株価は30ドル程度ですので、少ない資金からでも投資できます。
11月はアメリカ大統領選挙が一段落しました。民主党のバイデン候補が勝利したことでクリーンエネルギー銘柄に追い風だとも言われていますね。また最近はテスラのS&P500採用とこれに伴うEV関連銘柄の連れ高を受けてクリーンエネルギーETFは順調に値を上げています。かなりの急騰で大分加熱気味ですがクリーンエネルギーは長期的な投資テーマですので今後も期待できると踏んでいます。一株あたりの株価も高くないので、調整のたびに追加していくのも手かもしれませんね。