逆イールドカーブ
8月14日、2007年以降で初めてとなるアメリカ10年債の利回りが2年債利回りを一時下回り、この日の米株式相場はS&P500種株価指数が3%近く下げたほか、ダウ平均は800ドル安と今年最大の下げとなり、構成30銘柄が全て下落しました。長期債利回りが短期債利回りを下回る逆イールドカーブはリセッション(景気後退)の前兆とされており、今後の相場がどうなるのか心配ですね。
【国債】
国家が証券発行という方式で行う借入金のこと。発行時に償還期限と利率が定められており、購入者はこれに応じた利息を受け取ることが出来る。アメリカの財務省が発行している債券が米国債と呼ばれる。世界で最も国力が強いアメリカの国債は世界一安全な国債と呼ばれている。
長期国債・・・期間5年、10年、30年など、金利が高め
短期金利・・・期間3ヶ月、6ヶ月、1年、2年など、金利は低め

アメリカ国債の逆イールド
一般に債券は期間が長くなるほど投資資金の固定化によるリスク(貸し倒れなど)を伴うため、長期金利は短期金利よりも高い傾向にあります。しかし、様々な要因が生じて遠い将来より近い将来のほうがリスクが高くなると市場が予測した時には、長期国債に買いが入り、金利が低下することで逆イールドが発生します。因みに今年3月22日には3ヶ月債利回りと10年債券利回りで逆イールドが発生しており、その後も頻繁に逆イールド発生中です。また、イギリスやカナダでも逆イールドが発生しています。
逆イールドの中でも10年債利回りと2年債利回りの逆イールドが本命であり、前回発生したのがリーマンショック前の2007年、この時のダウ平均は約460ドル安でした。更に遡ると、ITバブル崩壊、湾岸戦争、日本バブル崩壊の前に発生しています。逆イールド発生後は株価が上昇し、1〜2年後にリセッション入りする傾向にあるようです。
因みに長期金利は住宅ローン金利の指標となり、短期金利は預金金利の参考となるので、金利によって銀行は利ざやが稼げなくなります。資本力のない銀行は厳しいでしょうね。このように金融市場の資金の流れが今後の実体経済に影響しますね。
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