【DLR】データセンターを運用するREIT!デジタル・リアルティー・トラスト銘柄分析
毎月分配型ポートフォリオを組む際、安定して配当を得られる様なグローバル企業を組み込むのは勿論ですが、ポートフォリオの多角化を図るためにもエネルギーや不動産を展開する銘柄も組み込んでいます。その一つが今回扱うデジタル・リアルティー・トラストです。
目次
不動産投資信託REIT
資産運用する際、安定した収益を長期間に亘って得たいと思う人は多くいます。その手段の一つが不動産投資です。不動産投資は投資した不動産を賃貸することで収益を上げる投資方法ですが、空室や税金、保険料や修繕費などの維持費、そして最近は大雨や地震など気候変動によるリスクも追加でしょうか。また、不動産の選定とその後の運用を素人が上手く行えるのかそもそも疑問です。これらを考慮すると私の様な資金が少なくかつリスクを取りたくない方は躊躇して踏み込めない領域ではあります。
そこで選択肢となるのがREITです。REITとは投資法人が投資家から資金を集めて不動産へ投資し、賃貸収入や売却利益を得て、配当金として投資家へ還元される商品です。REITでは不動産が証券化されている為、資金が少なくても不動産へ投資することができます。また、株と同様に運用益以外に売却益も得られる可能性があります。REITは商業施設やホテルなど用途別の不動産に対して設けられており、様々な種類の商品があります。なお、REITは同じ用途であっても複数の不動産に投資している為、分散投資でリスク軽減が図れます。

デジタル・リアルティー・トラストはデータセンターを運営するREIT
データセンターとは、インターネット用のサーバやデータ通信、固定・携帯・IP電話などの装置を設置・運用することに特化した建物の総称を指します。特にインターネット接続に特化したものをインターネットデータセンター (Internet data center、iDC)と言う場合があります。データセンターの特長には下記のようなものがあります。
日本データセンター協会より引用
・通信事業者の光ファイバーなどの通信回線を大量に利用可能とするため、通常のオフィスビルと比べて非常に多くの通信回線が引き込み済となっています。また通常、複数の通信事業者の通信回線が利用可能になっています。
・災害時にもサービスの提供に極力支障が出ないように建物自体も耐震構造とされています。
・電力供給が途絶えた場合に備え大容量の蓄電池や自家発電装置等を備えています。
・構内で火災が発生した場合にも中に設置されている機器を極力痛めないよう、通常のスプリンクラーではなく二酸化炭素やフロンガスによる消火設備を持っています。
上にデータセンターについて引用しましたが、データセンターは金融、製造、エネルギーなど様々な業種に用いられており、最近話題の5Gにも関係しています。乱暴なまとめ方ではありますが、要は現代のインターネット関連サービスや日常業務に欠かせないモノという認識で良いと思います。デジタル・リアルティー・トラストはこの様なテクノロジー関連の不動産を扱う企業であり、北米を中心としたデータセンターの所有、取得、運営を行うREITです。

基本情報
会社名:デジタル・リアリティー・トラスト(Digital Realty Trust, Inc.)
ティッカー:DLR
セクター:サービス
業種:不動産(不動産投資信託REIT)
採用指数:S&P500
株価:$118.9(2019/11/16時点)
配当利回り:3.6%(2019/11/16時点)
配当権利確定月:3,6,9,12月(配当支払月3,6,9,1月)
株価と配当

グラフの通り、株価と配当は共に右肩上がりです。ここ数年は配当利回り4%弱を推移しています。
売上高

発行済み株式枚数

発行済み株式枚数は増加傾向にありますが、2018年からはほぼ横ばい状態です。
総括
REITの分配金利回りは高い傾向にあります。そして堅調な賃貸市況や各国の金利低下による支払利息の減少により、今後も増配基調が続くのではないかと考えられています。一方でリーマンショック時は大幅下落しており、今後、金融危機が発生した際も同様の値動きとなる可能性があります。
デジタル・リアリティー・トラストも他のREIT同様に分配金利回り4%弱と利回りが高いです。この企業が扱う不動産は日常生活に欠かせない設備であり、それ故かリーマンショック時も売上・分配支払に大きなマイナス影響は受けていません。今後も安定して分配金を受け取ることのできる銘柄であると考えられます。