【SPYD】アメリカ高配当株式ETF構成銘柄紹介

2020年5月5日

新型コロナウイルスの影響で世界的に株価が暴落しています。2月中旬頃は株高でしたので株を安く仕込めるチャンスと捉えて高配当株アメリカ株ETFとして有名なSPYDに投資しました。投資した後に疑問に思ったのですが、SPYDはどのような銘柄で構成されているのでしょうか。

また、SPYDはダウの犬戦法の高配当アメリカ株ETFであり年に2回の頻度でリバランスが行われます。つい先日、新たなSPYD構成銘柄が発表されましたのでこれを契機にまとめてみました。

基本情報

ETF名称:SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF
ティッカー:SPYD
経費率:0.07%
設定日:2015年10月22日
組入銘柄数:77銘柄(2020年4月9日現在)

S&P500の配当上位80銘柄に均等投資

アメリカの代表的な株価指数であるS&P500は優良企業500銘柄で構成されています。そしてSPYDはS&P500構成銘柄の中でも配当利回りが高い80銘柄を投資対象としています。また、SPYDはインデックス投資で一般的な時価総額加重ではなく、均等分散である点も特徴です。つまり、SPYDに投資するとS&P配当上位80銘柄に均等に投資することができます(2020年4月9日現在の組入銘柄数は77銘柄)。

投資銘柄と投資金額のリバランス

SPYDは毎年1月と7月に投資銘柄と投資金額の調整が行われます。例えば減配などにより配当利回りの低下した銘柄は投資対象から外されます。そして増配などして配当利回りの高まった銘柄が新たな投資対象となります。このリバランスによって業績の悪い銘柄や株価の割高な銘柄が投資対象から除かれ、逆に増配傾向な銘柄や割安な銘柄が新たに組み込まれることとなります。

チャート

基本的には40ドル弱の株価を推移していましたが、今回の株価暴落で一時約23ドルまで値を下げました。また、SPYD設定日からの株価の推移を確認するも顕著に右肩上がりではないようです。つまりは売買益を狙うのではなく、長期保有して配当金を狙うETFであると言えます。

黒:SPYD株価 青:配当利回り
ヒロテル

バーゲンハントに徹すると意識しつつも株を買いたくなる時があります。そんな衝動をガス抜きするためにSPYDを数枚購入することが多々あります。購入単価が20〜40ドルと安いですからね。

構成銘柄紹介

増配年数はDividend.comより

【GILD】ギリアド・サイエンシズ

ギリアド・サイエンシズは世界第2位の大手バイオ製薬会社。抗ウイルス剤開発が事業の中心で、日本で一時話題となった抗インフルエンザ薬タミフル(ロシュ社にライセンス供与した商品名)を開発した企業です。この他にもHIV,B型肝炎,C型肝炎などの抗ウイルス剤を開発しています。

新型コロナウイルスに効果があるのではないかと話題となっているレムデシビルはギリアド・サイエンス社の抗ウイルス剤です。臨床試験で良い結果が得られ、有望な治療薬となるのではないかとのニュースが流れています。もちろん株価も上がっています。

【DLR】デジタル・リアリティ・トラスト

データセンターを中心に運営する不動産投資信託(リート)。データセンターとはインターネット用のサーバ通信、固定・携帯。IP電話などの装置を設置・運用することに特化した建物を指します。データセンターはインターネット関連サービスに欠かせない設備であり、今後本格化する5Gに対しても同様です。

リーマンショック時に売上が大きく減少することはなく、配当金支払いにも大きな影響はありませんでした。増配年数15年であり今後も安定した業績が見込まれます。

【CCI】クラウン・キャッスル・インターナショナル

無線通信タワーを中心にその他インフラを所有するリート。アメリカに約4万塔もの通信タワーを保有しています。2014年から配当を開始しており、リーマンショックの時期とは重複していませんが業績、株価、配当は右肩上がりです。通信タワーはデータセンターと同様に今後本格化する5Gに必要不可欠な設備であり安定した賃料収入が見込まれます。ちなみに日本国内の大手証券会社では扱っていない銘柄です。

【GIS】ゼネラル・ミルズ

1856年創業の歴史ある大手食品会社。日本ではハーゲンダッツやとんがりコーンが有名。1980〜2000年初頭生まれのミレニアム世代の嗜好が従来世代と大きく異なり、ここ数年は売上高が低迷しています。売上高が大きく減少した2016年夏頃から株価が下落傾向にありましたが、2018年第3四半期に売上高が底を打ち、その後は株価も上昇しています。増配年数は15年でありアメリカ企業としては長くないかもしれませんが、ここ数年は減配する事なく配当を維持しています。なお、過去に無配転落したことがない驚異の銘柄です。

【D】ドミニオン・リソーシズ

電力およびガス会社を傘下に保有する持株会社。株価の推移、増配ペース共に堅調な安定の公益事業株です。最近では2019年1月にスキャナ・コーポレーションを買収した事がニュースとなりました。

スキャナ・コーポレーションは東芝の倒産危機で有名なウェスティングハウス・エレクトリック・カンパニーの原発のプロジェクトへ投資しており、この中止に伴って一部の投資家などから訴訟を起こされ、株価が低迷しました。ドミニオン・エナジーはこれを買収して事業を拡大しました。ドミニオン・エナジーに関わらず、サザンなどアメリカの公益事業株は企業の合併で事業拡大するイメージがありますね。

ヒロテル

良くも悪くも今話題の銘柄が散見されますね!日本では聞き慣れない銘柄、公共事業で安定した銘柄、いささか危うく思える様な銘柄など盛り沢山で面白いです。

総括

SPYDは運用が開始されてからの歴史が浅く、昨今のコロナショック+原油価格暴落がSPYD史上初めての暴落です。不動産やエネルギーセクターの銘柄を含んでいることもあってか、他のETFと比較して暴落幅が大きい傾向にありました。特に下のグラフに示すように、OPECプラス後の原油価格暴落を受けてエクソンモービルやシェブロンなどが歴史的な大暴落となりましたので仕方ないですよね。今後、SPYD構成銘柄の中には減配する企業もあるでしょうし、SPYDも配当金が低下する可能性があります。

黒:エクソンモービル株価 青:配当利回り

ただし、SPYDは毎年2回リバランスが行われますし、その結果、今回の暴落を生き残ってかつ高配当を維持する銘柄が選抜されます。そもそもSPYDは高い配当利回りが魅力であり、VOOやQQQなどの様に売買益を狙うETFではないと考えています。複数銘柄の組み合わせ故に無配とはなりませんし、含み損が多少増えようが気にしません。安い時に仕込んで永久保有するのみです!