【VZ】ベライゾン・コミュニケーションズ銘柄紹介

今回紹介するベライゾン ・コミュニケーションズはAT&Tと共にアメリカで最大級の通信サービスを提供する企業です。

通信・半導体における最近のトレンドは何と言っても5G。ベライゾンは既に5Gサービスを有料化しており、5G関連の過去スケジュールは同業他社より先行しています。ただし直近の株価の伸びはAT&Tに劣っています。これは業績によるものではなくアクティビストによる株主還元の強化圧力を受けてのものだと考えられています。

電気通信企業はアメリカの人口増加に比例して成長が見込める業界ですが、今後大きく成長するならば5Gの展開次第でしょう。ベライゾンはインカムゲインとキャピタルゲインの両方を見込める銘柄であり、数枚ですが既に保有しています。

社歴概要

ベライゾン・コミュニケーションズの歴史は1876年のアレクサンダー・グラハム・ベルによる電話の発明にまで遡ることができます。

1877年にベル電話会社が設立され、1885年には長距離電話会社としてAT&Tが誕生します。その後20世紀後半までアメリカの通信事業を独占して拡大を続けます。1984年に通信事業の一社独占状態を解消するため、司法省によってAT&Tは8社の地域ベル電話会社に分割されました。

1999年以前に全米を一社でカバーできる企業はAT&TワイヤレスとスプリントPCSだけでしたが、1998年7月、AT&Tが分割して生まれた、アメリカ東部の地域ベル電話会社であるベル・アトランティックが、当時、非ベル系通信会社として最大級のGTEを528億ドルで買収することを発表しました。買収手続きは2000年6月に完了し、この時に生まれた新会社がベライゾン・コミュニケーションズです。その後も巨大合併が相次ぎ、現在の四大事業者、ベライゾン・ワイヤレス、AT&Tモビリティ、T-Mobile US、スプリントに収束しました。

ベライゾン・コミュニケーションズは2013年に、ボーダフォンとの合弁事業であるベライゾン・ワイヤレスについて、ボーダフォン保有株買取り、合弁を解消して完全子会社としました。2017年にはYahoo!を45億ドルで正式に買収しています。

基本情報

会社名:ベライゾン・コミュニケーションズ
ティッカー:VZ
セクター:IT・通信
採用指数:NYダウ, S&P500
株価:$58.5(2020/2/14時点)
配当利回り:4.2%(2020/2/14時点)
配当権利確定月:1,4,7,10月(配当支払月2,5,8,11月)

株価と配当

上:株価 中:配当金 下:配当利回り

配当は増配傾向で、株価も順調に伸びています。リーマンショックの際は配当利回りが凄いことになってます。大きな株価調整時に仕込めると上手くいきそうですね。

売上高

上:通期売上高 中:四半期売上高 下:四半期売上高の増減率

グラフをパッと見て、売上高は右肩上がりですね。直近の売上高は日本円にして約13兆円、純利益は1兆円を超えている超巨大企業です。

注目すべきは景気後退時の業績であり、ベライゾンはリーマンショックの際も売上高が伸びています。アメリカは日本と異なり、人口が増加している国です。これに伴って緩やかに携帯電話の契約者数も増えており、今後も売上高が向上すると予想されます。

また、ベライゾンは無線・有線通信事業のみならず、事業多角化の取組みとして2017年にヤフーを44.8億ドルで買収しました。最近の決算によると無線・有線以外の“その他"の事業も順調に売上に寄与しています。

発行済み株式数

上:発行済み株式数 下:発行済み株式数の増減率

ベライゾンの株式数は2013年まではほぼ一定でしたが2014年に大きく増加しています。ボータフォンが保有するベライゾン・ワイヤレスの株式をを買い取るに当たって自社株式による支払いで手当てした為です。これによりボーダフォンとの合弁を解消し、ベライゾン・ワイヤレスを完全子会社化しました。

これ以降、株式数に大きな増減はありません。自社株買いは実施しておらず、むしろ僅かですが増加傾向にありますね。

総括

ベライゾンはAT&Tと並ぶ、アメリカの通信会社であり、日本における通信キャリア(docomo,softbank,au)に該当します。これら企業の管理する通信インフラがなければ、現代に必要不可欠なスマートフォンなどは使用できません。ベライゾンの事業内容とその規模を考慮すると、倒産する可能性が限りなく低い企業であると考えられます。

ベライゾンの配当利回りは4%前後を推移しており高配当です。14年連続して増配しており、景気後退時も増配していることからインカムゲイン狙いの長期投資対象としてピッタリな銘柄です。5Gネットワークをアメリカで最初に導入したこともあり、今後の5Gサービスの展開次第ではキャピタルゲインも期待できそうですね。

そして現在の株価は約60ドルであり、1999年の62ドル台に迫る勢いで高値圏にあります。今無理して買うのはチョット躊躇します…当たり前ですが安く仕込みたいですよね。同業他社でアメリカ第3位のT-Mobileと第4位のSprintの合併が実現すれば競争の激化は避けられません。この進捗によっては株価が調整するのかなと淡い期待を持っています。株価が下落して配当利回りが高まったタイミングで積極的に購入したい銘柄ですね。

ベライゾン・コミュニケーションズの株価は約60ドルであり、1株当たりの購入単価が安いのも良い点です。購入するタイミングを分散できるので高値掴みを防ぐことができます。定期的に積み立てるのも面白いかもしれません。