【LVGO】ヘルステックの本命‼︎リヴォンゴヘルス銘柄紹介
新型コロナウイルスの感染拡大により、世界の株式市場は大暴落しました。今後は様々な影響が顕在化すると思われますが、一部の企業はこの危機を追い風にして大きな成長が見込めそうです。そのような銘柄として私が注目している企業がリヴォンゴ・ヘルスです。
リヴォンゴ・ヘルスは2019年7月に1株あたり$ 28.00で上場したアメリカの企業です。糖尿病や高血圧の患者が慢性疾患を管理し、より健康で良質な生活を過ごせるよう個人に合わせたコーチングやサポートに加え、血糖値測定器などのデジタルヘルスプラットフォームの開発・提供に従事しています。
目次
ヘルステック銘柄
ヘルスケアとIT技術
近年、フィンテックと言う言葉をニュースやネットで耳にします。フィンテックとはファイナンスとテクノロジーを組み合わせた造語であり、身近な例としてはスマホによる電子決済や、 銀行と連携する家計簿サービスなどを指します。
フィンテックの様に既存のビジネスにテクノロジーを使ってイノベーションを起こそうとする風潮を、6つの分野に分かれているため6Tech(シックステック)と呼びます。2016年頃から注目され始めたワードです。
- Education × Technology …『 Ed Tech(エドテック)』
- Healthcare × Technology …『 Health Tech(ヘルステック)』
- Finance × Technology …『 Fin Tech(フィンテック)』
- Automation × Technology …『 Auto Tech(オートテック)/ Car Tech(カーテック)』
- Home × Technology …『 Home Tech(ホームテック)』
- Frontier × Technology …『 Frontier Tech(フロンティアテック)』
昨今のコロナ禍と健康意識の向上、ダイエットや予防医療の流行、高齢化と医療費の増加、等々を考慮した時に特に注目したいのがヘルステックです。健康は人が避けては通れないテーマであり、将来的に重要な社会インフラを成すであろうヘルステック企業は絶好の投資対象となります。
ヘルステック銘柄の成長が見込める背景
アメリカには国民皆保険の制度がなく、国民は金銭的な問題から安易に医療機関を受診できません。救急車ですら自己負担が大きいため使用を避けると言われ、一度、医療サービスを受けると破産するなどの話がある程です。そして高齢化の進む日本と同様に実はアメリカも医療費が増加傾向にあり、その医療費は3兆ドルと巨大なマーケット規模があります。ヘルステック企業による医療サービスの向上・効率化は人々の健康のみならず、政府予算を削減すると言うメリットもあるため、新型コロナウイルスの影響でますます普及が進むと考えられます。
大手IT企業によるヘルスケア分野への投資
Amazonの医療品販売やアマゾンケア、FacebookのヘルスケアツールPreventive Healthなど、既存の大手IT企業がヘルスケア分野に積極的な投資を進めています。新興のベンチャー企業のみではなく既存の巨大IT企業にとってもヘルスケア市場は注目されており、今後様々なイノベーションが期待できます。
リヴォンゴヘルス概要
事業内容
リヴォンゴヘルスは糖尿病から始まり、現在は高血圧、体重管理、糖尿病の予防、行動の健康など、慢性疾患の人々がより健康で健康的な生活を送ることのできる様なサービス(デバイス、プラットフォーム)を提供しています。 リヴォンゴヘルスは自社サービスの『AI + AIエンジン』を使用して、大量の健康データの収集(Aggregate)・分析(Interpret)・提供(Apply)・反復(Iterate)を実施し、パーソナライズ化されたタイムリーなソリューションをサブスクリプション形式で提供します。以下、具体例として載っていた3点を紹介します。
- 『糖尿病の薬の最適化』
AI + AIエンジンは主要な全国チェーンの薬剤師との緊密なパートナーシップを通じて、最新の臨床状態と投薬記録を組み合わせることにより、投薬の最適化を実現する。 - 『高血圧や糖尿病の医療費抑制』
一部の企業はメンバーがLivongoの高血圧プログラムを通じて定期的な血圧測定などの健康関連の活動を実行する場合、特定の薬物療法についてリヴォンゴヘルスと共同支払いプログラムを利用できる。 - 『体重管理のコーチング』
リヴォンゴヘルスの体重管理プログラムのメンバーには、特定のニーズ、好み、進歩に基づいた幅広いプログラムを提供する。個人の性格プロファイルを使用してメンバーのニーズを満たす。
リヴォンゴヘルスのマーケット
リヴォンゴヘルス資料によると、アメリカには1億4700万人の慢性疾患を患う患者がおり、糖尿病で288億ドル、高血圧で185億ドル、合計467億ドルのマーケットである様です。また、2020年第一四半期決算資料より、糖尿病登録者数が前年度の16万4千人から32万8千人へ増加したとのこと…アメリカには3400万人の糖尿病患者がおり、予備軍は8800万人いるとの調査結果もあります。単純な計算ですが現時点でアメリカ糖尿病患者の約1%しか占めていないこととなります。潜在的な患者数が膨大で、事業の伸び代が十分にありますね。
更に余談ですが、世界の糖尿病人口は2000年以降一度も減少しておらず、一貫して右肩上がりです。糖尿病の予備軍も多いと言われていますし、今後もこの傾向は続くのではないでしょうか。自分も含めて健康な方は気を付けないといけませんね。

【糖尿病】
一般社団法人 日本生活習慣病予防協会HP参考
糖尿病は血糖値が高くなる病気。
血糖値とは血液の中の糖分(ブドウ糖)の濃度のこと。健康な人の血糖値は食事の前の空腹時で70~110mg/dL。食事をとり、ブドウ糖が血液の中に入ると血糖値は高くなるが、その場合も上限は140mg/dL程度。血糖値がこれよりも高い状態を「高血糖」といい、その高血糖が続いている状態が糖尿病。
血糖値が極端に高い場合には命の危険もあるが、通常は殆ど症状に現れない程度の高血糖。症状が現れないのにも関わらず、体の中では高血糖の悪影響が広がっていく。そして時間を経ると合併症と呼ばれる様々な病気や身体の障害が現れる。例えば、失明することもある糖尿病網膜症。週に約3回、半日がかりで透析を受けないと生きていけなくなる糖尿病腎症。手足のひどいしびれが続いたり、全身にさまざまな影響が現れる糖尿病神経障害。これらの合併症を起こさないために、糖尿病と診断されたら血糖値が高くならないように管理する必要がある。
業績
2020年第一四半期決算の財務ハイライト
- 第一四半期の総売上高は6,880万ドル、前年比115%の増加。
- 第一四半期で糖尿病登録者数328,000件を超える登録、前年比100%の増加。
- 2020年通年の売上高見込みを2億9,000万ドルから3億万ドル超へ修正。
損益計算書


キャッシュフロー計算書


総括
ヘルステックの要点は以下の2点。
- 健康は人が避けては通れない永遠のテーマであり、新型コロナウイルスの影響で更に注目を集める。
- ヘルステックによる医療サービスの向上・効率化は人々の健康のみならず、医療費の削減にも寄与する。
リヴォンゴヘルスの要点は以下の3点。
- 糖尿病や高血圧のモニタリングと遠隔医療をメインとしたサブスクリプション形式の事業を展開しており、利用者が健康を維持する程、サービスは継続して利用される。決算資料より顧客維持率94%。
- 黒字化間近、直近の業績に問題なし。新型コロナウイルスの影響で更なる成長を見込んでいる。
- リヴォンゴヘルスはアメリカ国内の糖尿病患者数の約1%にサービスを提供していると見込まれる。世界的に糖尿病患者数が増加傾向にあることも考慮すると事業の伸び代は十分にある。
第一四半期の決算内容を確認する限り、大きな懸念事項はない様に思われます。新型コロナウイルスの影響下にありながら通期の売上高を情報修正しましたし、これに相当する需要があるのでしょうね。株価は上場来高値を突き抜けて爆上げ状態です。また、リヴォンゴヘルスがツイッターで「雇用者市場は成長し続けると思われる。何故ならば雇用主は従業員を世話する必要があるから。」と呟いています。つまりは従業員の健康維持のためにリヴォンゴヘルスのサービスの需要が増えるとのこと。一方で新型コロナウイルスの影響でアメリカ企業の倒産が相次いでいますし、これによる企業顧客の伸びが鈍化する可能性も十分に考えられます。ただし、リヴォンゴヘルスのサービスがアメリカ糖尿病患者数の約1%しか占めていない事を考慮すると潜在的な成長性は十分だと判断しています。アフターコロナないしはウィズコロナにおいても長期的な成長の望める銘柄として、今後も長期でチマチマと仕込んでいきます。


私の身の回りにも糖尿病の方がいますが、自ら適切なケアをする方法が分からないのが大きな問題かと思います。特に農村部で医療機関から遠方に住んでいる人にとって、遠隔医療でデータに基づいたアドバイスを受けとれるサービスは非常に有益です。今後、応援していきたい企業ですし、日本にも同様なサービスがあれば期待したいですね。