【PLUG】水素社会へ向けた投資‼︎プラグ・パワー銘柄紹介

2020年8月9日

2015年、国連で「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択されました。貧困や不平等、地球環境など2030年までに達成する17の目標を掲げたSDGsは、未来にあるべき形を示したものであり、現在の企業活動の基本となっています。

これまでいくつもの国際的な”環境宣言”等がありましたが、もはや機能しているのか怪しいです…環境問題は人類が継続して生きていくために避けては通れない課題だとSDGsが改めて示した形ですね。其々の企業が将来に渡って、選ばれる存在となるにはどうあるべきか、持続可能な経営がかつてないほどに求められています。

2020年現在、世界は新型コロナウイルスの問題に直面し、世界各国の経済活動が急激に停滞してしまう危機に陥っています。企業にとってこれほど社会に対するあり方が問われた事はないでしょう。企業の目的は金銭的な利益の追求ですが、社会や環境に対しても責任を負わなければ、将来の事業基盤を崩しかねない状況にあります。

また近年はSDGsのみではなくESGも要注目です。ESGとはEnvironment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の三つの言葉の頭文字をとったものです。 この三つの要素に着目して企業を分析し、優れた経営をしている企業に投資するESG投資が株式市場で注目を集めています。

SDGsやESGが始まる以前の企業活動を振り返ってみると、利益を追求した株主第一主義的な経営が強かった印象を受けます。その様な状況下ではコストの高い地球環境へ配慮した製品やサービスは普及しなかったでしょう。これからは長期的な視点を持った経営が求められることを考慮すると投資テーマとして”環境”のウェイトが強くなると考えています。

今回触れるプラグ・パワー【PLUG】は環境配慮型の事業を展開しています。そして先日、企業買収のニュースが発表されましたので、将来的な成長が期待できる銘柄として紹介しようと思います。

Plug Power 公式サイトより

プラグ・パワー事業概要

プラグ・パワーはアメリカの燃料電池メーカーです。産業機器や発電装置用の燃料電池の開発と製造に従事しています。主要製品はフォークリフトや無人搬送車などの産業機器向けの液体水素燃料ジェンドライブ、固定・無線通信向け天然ガス・液化石油ガス燃料発電装置ジェンシュア、企業・政府機関向けバックアップ電力用液体水素燃料ジェンコアなどです。

フォークリフト用の燃料電池ジェンドライブ

プラグ・パワーで有名な製品はジェンドライブです。ジェンドライブはフォークリフトの鉛蓄電池に取って代わる製品でバッテリーの漏れや交換時間などのデメリットを改善、ユーザーは生産性を5%から6%節約できるとのことです。2017年以降、ジェンドライブがアマゾンやウォルマートで採用されている点に注目です。

2020年第一四半期決算報告では以下の記述があります。

「新型コロナウイルスの状況下でプラグ・パワーの製品がWalmartやAmazonなどの顧客のニーズをサポートすることが重要。弊社の水素および燃料電池製品はウォルマート、アマゾン、およびその他の食料品流通顧客の全体で、ほぼ完璧な稼働率99%を維持している。新型コロナウイルスによる影響で、これらの顧客はホリデーピークシーズンを超える需要の増加を維持していることがわかりました。具体的にウォルマートは2020年3月に、これまでにない水素消費量を示しました。」

つまりは新型コロナウイルスの影響で消費者の消費行動が変化し、食品流通が大忙し。プラグパワーの顧客がフォークリフトを使用する機会が増えて、水素消費量が増加しているとのことです。

アマゾンやウォルマートなどの事業拡大も注目ですが、ニュースで耳にする通り、これら体力のある大企業は環境へ配慮した投資を拡大させつつあります。ジェンドライブは環境配慮の良き選択肢の一つであり、世の中の風潮と共に需要が見込める製品かと思います。

企業買収

2020年6月、プラグ・パワーは水素関連会社2社を合計1.23億ドルで買収しました。水素ガス生成のユナイテッド・ハイドロジェンを6500万ドル、水から水素を生成する電解装置メーカーのギナーELXを5800万ドルで買収したとの発表です。今回の買収により燃料電池の主要なサプライヤーに変貌を遂げる可能性があるとのことです。

このニュースが発表されてアナリストの目標株価は6ドルから引き上げられ、中には14ドルとしたアナリストもいます。なお、市場では一時7.8ドルの値を付け、2013年以降の高値圏にあります。

株価

売上高

中:四半期売上高 下:四半期売上高の増減率

純利益

所感

プラグ・パワーの株価は2009年以降、殆どの期間を10ドル以下で推移しています。株価1ドル以下であったこともしばしばで、いわゆるペニー株と呼ばれる類です。きちんと収益を上げる体制が整っていない赤字企業ですので、投資するにはリスクが高いですね。ただし直近の財務体質は改善傾向にありますし、SDGsやESGの風潮と共に成長が期待できます。購入単価が非常に安いので、株を購入して余ったキャッシュでチマチマ購入し、長期保有するのに良いかもしれませんね。

アメリカのエネルギー企業、例えばサザン・エナジーやデューク・エナジーなどは企業の吸収合併で現在の状態に落ち着いています。水素を事業とする企業においても同様かもしれません。そんな中でプラグ・パワーが企業を吸収する側に位置しているのはプラスなのでしょうか。特に今回は上流企業の買収ですので、原材料単価を手中に納めるたことは収益的に大きな影響がありそうです。

ちなみに先日、数枚ほど購入してみました。取り敢えずは企業買収による長期の影響と新型コロナウイルスによる第二四半期への短期の影響に注目しておきます。